恋愛のやり直し方
「綾、行くよ」



「あ、はい」





立花さんの掛け声にハッと我に帰る。
バタンとドアを閉めて鍵をかけると、もう二度とここには戻らないんだと自分に言い聞かせた。




クルリと振り向くと、優しい顔で見守ってくれている立花さんの顔。
その顔のおかげか、案外さっぱりとした気分でここを出て行けた。










「疲れただろ?ちょっと遅くなったけどお昼にしよう」





「あ、はい」



「何がいいかなぁ?引越しソバかな?」




「アハハ、まだ終わってないですけどね」





「いいの。それより、そば懐石のいい店知ってんだ。そこにしよう」




楽しそうに鼻歌交じりに立花さんが車を走らせる。
その横顔を見ながら、立花さんの奥さまは何がいやで離婚してしまったんだろうと思う。





「綾?そんなに見られるとさすがに照れるんだけど?」



「えっ?あっ。す、すみません」




「アハハハ。いいけど。悪くない」
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