恋愛のやり直し方
怒ってはいるけど何故か困っているようにも見える。
取りつくろうとしているようにも、緊張しているようにも……



そして、初めて名前を呼ばれた。



森嶋さんではなく『綾』と…





その瞬間、子宮の奥がズクンと疼いた。





それだけで、頭の中にあった文句がどこかへ消えていく。
すっかり反抗心が無くなってしまっ私を見て、友田が大きなため息を吐いた。





「綾、俺、怒ってんの。返事と行動によっては許してやってもいいけど」


「ど…どういうこと?」




あれ?この人こんなに俺様だったっけ?



思い切り不審な顔を向けてみる。



「シワ」



ピンっと眉間を指ではじかれた。
そして再び手を引き歩き出した。




ガチャンとドアを開ける瞬間、チラリを私を見た。
そして、グイッと腕を引く。



バランスを崩した私はなだれこむようにドアの中へと入る。






バタンと背中でドアが閉まる音。



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