恋愛のやり直し方
そんな自分を悟られたくなくて、返事も返さずに、向かいの席に座る。



それを確認した友田が、一口啜ってから、静かに話始めた。




「で、どっちから話そうか?俺?綾?」




名前……呼び方は変わらないんだ。




さっきは他のことに気をとられていたけど、改めて呼ばれると、やっぱりくすぐったい。


「ね、どっち?綾が選んでいいよ」





正面から反らされない視線を受けて、なんの話だっけ?と慌てる。





「じゃあ、俺から質問いい?」




今さら『なんの話でしたっけ?』と聞ける雰囲気じゃないから、仕方なくコクンと頷く。



「あのさ、なんで里見がここに来たの?」


「え……」




どこから話せばいい?




「…………」






「質問変える。綾の知ってること全部話して?後はこっちで整理するから」



なかなか話を始めない私にしびれを切らしたらしい。



「大丈夫。言葉を売り物にしてるから、筋立てて整理するの上手だと思うし?

順序なんて拘らずに思い付くまま話していいよ」



ニッコリ笑いながらも、どこかトゲがあるんですけど……
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