恋愛のやり直し方
しまったと思っても、一度飛び出た言葉は消せるわけもなくて、案の定クスッと笑う友田。





「じゃあ、お願い」


アッサリとキッチンを明け渡され、渋々中へはいる。



すでにコーヒーの用意は済んでいて、後はスイッチを入れるだけだった。



「…………」



そんな私の様子を見ながらクスクス笑う友田に、ムッとした顔を向けると、わざとらしく首をすくめてみせる。


それがまたムカつく。



コポコポとコーヒーが落ちていく音がすると、フワッといい香りが漂い始める



アロマ効果だろうか?鼻から抜けるその香りに少しだけ落ち着いてきた。



ふと、シンクの中に視線を落とすとグラスが1つ置かれている。


もしかして…と、目を凝らして見る。

そこに口紅とか………付いていなかった。






心底ホッとした自分に苦笑してしまった。



どこまで気が小さいんだ私


シューという音がして、コーヒーが入ったことを知らせてくれた。



すでに用意されていたカップに注ぎ、ソファーに座る友田へ持っていく。





「ありがとう」

笑顔で受けとる友田に、トクンと心臓が鳴った。
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