不思議な“キツネ”ちゃん
「赤色の指輪の持ち主の話~」
赤色の指輪の持ち主の話?
もしかして、
「キツネちゃんの事?」
キツネちゃんがどうかしたのかな?
「そいつの事~」
シンヤ君は何を聞きたいのだろうか?
「キツネとはどんな関係?」
どんな関係?
そんなの友達だけど。
「なんで?」
そんな事をなんで聞くの?
私とキツネちゃんの関係なんて
シンヤ君に関係ないと思うんだけど。
「ねえ、鹿野ちゃん」
昨日、みんなに呼んでくれるように頼んだ
私の名前。
昨日初めてみんなに呼ばれた時は
凄く優しく聞こえた名前も、
なぜか少しの暖かさを
感じることができなかった。
「キツネの話、してあげようか」