不思議な“キツネ”ちゃん
タクシーから降りて
京が眠っている場所を見渡す。
丘みたいな場所で京のご先祖様もいる。
京ために墓の回りには
ラベンダーの花が植えてある。
「京、ただいま」
「パパ~」
未来と一緒に京の墓を綺麗に掃除する。
「パパ~」
「未来。パパ、綺麗になったね」
「うん!」
ラベンダーと赤い菊の花束をそっと添える。
あれから1年がたつ。
未来は1年しか
京と一緒にいられなかったけど。
なんとなく京を覚えているみたい。
たぶん、だけど。
京が可愛がっていたからか。
京のとこに来るといつもニコニコする。
「あんね、」
まだ幼いから言葉をしらないけど。
自分が知っている言葉だけで必然に話す。
京。
未来はこんなにも大きくなったんだよ。