不思議な“キツネ”ちゃん


「ええ、そうよ。ただの友達」


彼らの事を想ってる人達が全員、
純粋に彼らを想ってるっては言い切れない。

逆に純粋に想うことができる人は
少ないと思うから。


それに彼らの

第一印象しか知らないから。


「でも、今まで彼らには女の子の友達なんて」

「いなかった?」


第一印象ではかっこいいとかイケメンとか、

外見でしか判断ができない。


だから、純粋に彼らの事を想ってる子は

いないかもしれない。



でも。

私はそれでもいいと思う。


だって、

世の中はそこまで純粋に出来てないから。


「うん、一人も」


第一印象しか感じることができないのは、

彼らの為もあると思う。


けど、根本的な理由は

周りが作ってると思う。


「なんで貴女は彼らの友達にならないの?」

「だって、彼らとは不釣り合いだもの」

こんな風に。



彼らはただの高校生で。

学校の代表グループっていうこと以外には

特別な事はあまりない。



それなのに。

周りの人たちは
勝手に彼らのイメージを決めつけて、

彼らを孤独にさせていく。




もちろん、どんな人間にも
不釣り合いな人はいるかもしれない。


でも、それは社会的なことで。


本当は同じ人間だから
不釣り合いとかそんなもの、ないはずだ。


なのに。

まだまだ子供の高校生の彼らに。


まだたった十数年しか生きてないのに。



そんなことを決めつけられている。

不釣り合いとかはそんなのはないはずなのに。



「そんなことないよ」


人間はみんな平等です。


よく耳にするフレーズである。


まったく、その通りだと思う。


「だって同じ人間ってことだけでも
十分釣り合ってるから」


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