不思議な“キツネ”ちゃん
「なぁ~、朱里ちゃん」
シンヤ君があー君の隣に座ったまま私をみる。
シンヤ君もまつげ長いな。
なんか女としてイロイロ負けた。
「どうしたの?」
最近になってやっと下の名前で呼んでくれた。
名字よりも柔らかく聴こえる。
それになんか、
認められた感じがするから嬉しい。
「今日は一人だったのか~?」
シンヤ君たちは不良組で私は普通組。
残念ながらクラスは別々だ。
「キツネちゃんのこと?」
シンヤ君はなぜか、
キツネちゃんに興味があるようで。
いつも、てか大抵聞いてくる。
そうだよと頷くシンヤ君に今日の事を話した。
「あはは、さすがキツネ様様だね~」
「やっぱりキツネちゃんは特別なんだね」
「そりゃぁな」
いきなり、会話に入ってきたショー君は
キツネちゃんのことを詳しく知ってるみたい。
「ん~?」
「アイツは金持ち、天才だからな」
「天才なの?」
「全国模試でベスト10入りするし、
いつも進学をいれても学年トップだぜ」