不思議な“キツネ”ちゃん


屋上は4階にあるのだが
3階から人が見当たらなくなる。

てか3階に人がいること事態、
見たことがない。


みんなに聞いてみたら

『キツネがデルからだよ』

って。


たぶん、
キツネってキツネちゃんのことだと思う。


でもデルってなんのことだろう?

それにキツネちゃんって優しいのに。
怖いところなんて見たことがない。



「みんな、いるー?」

屋上の扉をゆっくり押し開けながら中を覗く。


そこには、やっぱりみんないた。


てか、もう食べてるし。

「遅かったね、朱里ちゃん」

あー君が首をかしげなから聞いてくる。

彼は地べたに座っているため
必然的に上目遣いになっている。

毎回のことだがめちゃくちゃ可愛い。

フランス人形、みたいな?


睫毛も長いし、目も丸くて女の子みたい。


「新しい友達と話してたんだ」

「お前、やっと友達できたのか?」

タク君が安心したように笑った。

タク君は私がキツネちゃんとしか
友達だということをスゴく心配してくれてた。


「うん!優しい子なんだ」

いつか、みんなにも紹介してあげたい。


タク君が私の頭を優しく撫でる。

意外にこれが安心するんだよね。


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