プリンスの気まぐれ

「貴美子、最近クラスはどうだ？」

「最近って…昨日も会ったじゃない。
しかもその質問、お父様みたい。」

「俺はお前のお父様じゃない。
姉さんがクラスが離れたから…
(だからスパイがいなくなったから探り入れてるんだろ！)」

「何も変わらないわ。もちろん侑子がいないのは寂しいけど。」

「そうか。ならいい。
(まあお前が気付いてないだけだろうがな。
それならまだ俺の敵にはならない。」

「何がならいいのよ(笑)」

「お前、俺のことなんだと思ってんだよ。
ただの姉なら本物がいるんだし、毎日迎えに行ったりしない。」

そう言った瑛仁の目は真剣だった…

「…」

「失礼します。
貴美子様、本日はアールグレイですわ。」

「え、ええ。ありがとう。」

「ちっ」

メイドの咲さんのおかげで手元を見たから瑛仁の目をそらすことができた。
舌打ちしてたけど。
本当に私の前だと性格が悪いのよね。