人間ゲーム
捻挫のせいで思うように走れずに川辺あかりとの距離がひらく。
オレと鬼との距離はそう遠くはなく、このままでは完璧にオレが鬼になってしまう。
いや、もしかすると川辺あかりを狙うという場合も考えられる。
どっちだ?
わからないならいっそオレが…。
オレは立ち止まり、川辺あかりから背を向けた。
「はぁ!?何をしてんの!!」
気づいた川辺あかりが立ち止まり、オレの方を向く。
「何をって…、オレが鬼になる。」
そう言いながらオレは鬼が迫ってきているのをジッと見つめた。
「バカじゃないの!?何で清川が鬼になんかに…!」
「このままだと、どちらかが鬼になる。それならオレが鬼になった方がマシだ。お前は逃げろ。」
あえて感情が入らないように、オレは冷静で冷たく言い放った。
鬼もオレが逃げないことに気づいたのか走るのを止めてジリジリと歩いてオレの方へ向かい出した。
「…何よ…何よ今さら!!偽善者ぶらないでよ!気持ちが悪い…。」
偽善者ぶっているつもりはないが、何度でも言えばいい。
それで気が晴れるなら。
「オレは決めたんだ。だから逃げろ。」
「これで逃げるバカはどこにいるって言うのよ。ありさもこれから捜さないといけないのに。」
ありさ…。
ありさって誰だっけ?
頭をフル回転させて、誰だったのか考えた。
そこでやっと思い出した。
オレがするべき行動を…。