sound village
 


「…学校対抗もやりたいな。」

「ゆくゆくは、やるで。
学校対抗もな。」


そういって柏木は
バックミラー越しに
スースー眠る斐川に目をやった。


「…神島。お前、その辺の
アマチュアチームとゲームやって
正直、満足できるか?」

一生懸命やっとる奴にいうのも
失礼なのは承知の上で…と、
柏木はいう。


ーーーできないーーー


最高のチームでプレイしたいし

やるからには…強い相手と
ゲームをしたい。


就職してバスケから少し
遠退いたのは、それも原因だ。


ストバスをしても、相手次第で
もの足りなさを感じるのが
辛くなった。


「…多分…口に出さんだけで
俺らの周りって、みんな
不完全燃焼違うかな。
想像やけど、全寮やった奴なんて
メンバー集めるのも
キツいはずやで。
皆こっちで就職してるわけ
違うやろうしな。」

…なるほど…な。

「新たなチーム発足を
狙っている訳か…」


まあな…っと、柏木は
お茶をにごす。
 



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