sound village
…いった方がいいな…
係長の所に行こうと
非常用梯子に手をかけた瞬間
同校出身者と1分のミニゲームを
していた斐川がディフェンスを
交わしてドリブルからーーー
…アイツが
「「アリウープ?!」」
柏木と声が被る。
そもそも、斐川の場合
ダンクすら…もしかしたら…
見たことないかもしれない。
ディフェンスであの高さは
俺自身も食らった事があるけど…
「アホか…」
柏木が唖然として呟き
「止めとけぇ斐川ぁ」
引き続いて、聞いたことが
ないくらい、声を張り上げた。
ーーーあんなに
跳べるのか……
息をのんだと同時に
アリウープではなく
本当の斐川の狙いに気づく。
「斐川っ」
アイツの手加減なしの球速を
素人がまともに食らえば
どうなるか…
避けられてガラスが割れるのも
正直困るが…