sound village

頂上決戦 ** side柏木




「あ…はい?」


レンちゃんが離席中の事務所内。

内線に応対した斐川が
不思議そうな表情をして
メモをとる。


「…はい。少々お待ち下さい。」


内線を保留し、メモを手にした
斐川が、部長席へ赴き内容を
伝達していたが、部長が
数回縦に首をふり受話器をとる。


「どこから内線?」


席に戻った斐川に小声で聞けば


「…会長秘書。」


何か納得のいかない表情のまま
ヤツは答えた。


受話器を下ろした部長が
面倒くさそうに席をたつ。
その後ろ姿を目で追っていれば
クルッと、こちらを向いた部長と
目が合う。


「お前ら、ちょっと空けるけど
大丈夫だな?」

ちょっと時間がかかるからと言い
何かあれば業務携帯に連絡しろと
言いおいて部屋を出た。



ーーー胸騒ぎがする……



「神島。」


レンちゃんを呼んだ方がいい。


「ああ。頼む。」


神島も同じ事を感じたのか
何も問い返すことなく
俺は、ちょっと飲み物を
調達する体で部屋を後にした。



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