sound village
「いやん。レンちゃん、
もっとホメテ~」
「くたばれっ」
コイツと組んだ時は、
どんだけ僻まれて、妬まれたか。
仕事の成果で返り討ちに
してやったが、不要な気苦労を
負わされるのは、心底堪える。
いかなるイケメンがきても、
家族や恋人と過ごすより、
遥かな時間を共にしても
クリーンな関係で案件を
終了できる、この才能ーーーー
…女としては、全くもって
残念なお話である。
「っで、どこの企業狙ってんの?」
倉庫の扉が自動施錠する音が
響いた。
「そんなの全然決まってない。」
「マジか・・・やっぱ、俺」
「頼むから来るなっ
メンドクサイ
っで、棚はどこだよ?」
サッサと部屋に戻らないと
いけないのに、こいつと小話を
繰り広げている暇はない。
「さあ?」
・・・さあ?って、なんだ?