sound village



「斐川。」

体育館の駐車場で
俺を呼び止めたのは
大事そうに、腕の
スポーツウォッチに
触れる柏木だった。

「お前、カノジョ
迎えに行くんやろ?
狭いけど、乗って行くか?」

…何故わかる…

ああ、音村係長から
連絡でも入ったのだろう。
そう思い尋ねれば、

「いや。レイアップ決めた後
3人が出る所見えてな。
あの2人、小動物系タイプ
大好物やから、拉致ったなと。
まあ、感やな。直感。」

…相変わらず、恐ろしい
推察力だ。

しかし、他人事ながら
音村係長と柏木の結婚は
会社や家族等は、本当に
大丈夫だろうなのか…?

この二人が、そのあたりの
調整をぬかるとは
想像し難いが…

特に、係長側は、シスコンを
拗らせた兄貴が牽制を
かけてきていたし…
簡単では無かったのでは
ないだろうか?


 
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