sound village
 


「柏木と何を話したの?」

俺の掌に小さな手を絡める
カノジョに問えば

「ん?“結婚おめでとう”
って、言ったのよ。
そうしたら、“ありがとう”
って。嬉しそうだった。」

そう言って笑む。

ああ…そういえば
俺は、まだ、柏木には
言ってないではないか。

思わず足を止めて、
横断歩道を渡りきった
柏木を見遣る。

普段、叫ぶこと等
ないのだが。

「柏木!結婚おめでとう!」

車路の車の騒音に
負けないよう
言いそびれていた言葉を
かければ

「サンキュ!!」

ちょっと驚いた表情をした後
柏木は、最高に嬉しそうに
片手を挙げ、そう応えて
目的の場所へ歩み始める。

何だか、気分が
晴れ晴れとしている。

何となくカノジョと二人
同時に振り返れば
ライブハウスの入口で
音村係長と柏木が並んで
こちらに手を振ってくれた。

案外しっくりとくる。
もっとチグハグな印象を
受けると思っていたが。

“また,月曜ね”

係長の口元が、
そう言葉を紡ぐから
二人で手を振り返す。

「俺達も帰ろう。」
「うん。」


何だか、こんな小さな
日常の一コマが愛おしい。


そんな事を話しながら
俺たちも2人歩き始めた。









【FIN】






完結、お付き合い頂き
感謝いたします。

お礼を込めて
『ココア』に『人事部長の憂鬱』
追加いたしました。

お宜しければ
覗いてみてください。

穂積 歌音








 

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