sound village


「じゃあ、気づく前に
食っちまえ。」

相変わらず、ニヤニヤしたまま
透は言うけれど。

「アナタ…よくそれで弁護士が
務まるものだな…」

「客には、親身になって対応する
っつーの。」

透は手にした資料の文字を
追いながら、サラリと受け流す。

「アイツら…やっぱ、バスケは
やりたかったみたいだな。」

「うん。」

この資料を見る限りーーー

3人とも

プロになることを
諦めたということになる。

『スポーツ推薦』『実業団』
『スカウト』ーーーー


それぞれが、バスケができる
環境を求め進学し先を目指した
状況が伝わってくる。

何か理由があって、彼らは
プロになるということを
見限った訳だ。

「どんな気持ちだったんだろ……」

やりたいことをヤレーーー

後悔するなーーーー


そういうのは、簡単だ。


でも、将来はどうなる?


うちの会社だって、人気があり
なかなか入社するには難関で
有名な所だ。


わざわざ、そこを受けて
スゴイ倍率を勝ち抜いたんだから
軽々しく本人達の将来を
揺るがす様な言葉は、
口にすべきではない。




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