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『天才ピアニスト』と称されていた彼女。
あの日、私たちの直前に舞台でピアノを弾いていた。
そして私たちは、『大槻芽奈と同じ高校のバンド』という紹介で出演した。
「大槻芽奈って……あの……!?
あ……そういえば……!!」
次に気づいたのは、当然というか、深樹斗だった。
私と深樹斗で、緊張しまくって大槻さんの方を見ていたのだから。
「……誰だっけ? 大槻芽奈って」
「……分かんねェ」
そして名前を聞いても思い出せなかった、というか、彼女のことを知らなかったであろう二人。
きっとプリントの真ん中の文字にも気づいてなかっただろう。
「驚いた……。あたしを知らない人がいるなんて」
本当に驚いた顔を見せる彼女。