0時のシンデレラ
凛音の目からポロポロと涙が出た。
「…懐かしいにおい……」
「…凛音。
今から俺が話すこと…
聞いてくれるか?」
凛音は静かにうなずいた。
「…俺、小さい頃この辺りに住んでたんだ。
でも学校でさ、上手く行かなくて
この野原によく来てたんだ」
気持ちいい風が吹く。
「凛音とは…この野原で出会った」
「…ここで?」
凛音が口を開いた。
「そ。
しばらく一緒に遊んでた」
「…“しばらく”?」
「あぁ、“しばらく”な。
でもすぐに俺は引っ越したんだ。
そんで、最後の日に…」
ここで、花のかんむりをあげたんだ―――
礼音は沈んでいく太陽を見つめた。
そしてこう言った。
「俺、あんときからずっと
凛音が好きだったんだ」