好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
無情にも帰りはあっという間で窓からは見慣れた風景が見える…



育が席を立ち、
「行こうか…」と言った。


私は降りたくなくて…



ギリギリ電車が停車し扉が開くまで座っていた。



「ほら…着いたぞ」



育が優しく微笑むから私も頷いた。



私達は電車を降りて駅のホームを歩く…



育はまだ私の手を繋いでくれている…



「家帰ったら着替えないとな」



『うん…そだね』



そう言った時だった―――


『すいません…真鍋育さんと真鍋由奈さんですか?』


「…」



『…』
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