好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
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昼休み――…



私は重い足取りで屋上へ向かう。



屋上の鉄の錆びた戸を開けると育は既に待っていた。



「…由奈…」



私は何も言わずに育の隣に座る…




育が私を呼んだ癖に何も話そうとはしない…


長い長い沈黙が流れる。



「…」




『…何?話しって…』



「…」



「…俺…留学も辞める…高校卒業したら、働くわ。お前の為に…」



『…えっ?』




私はいきなりの育の言葉に驚く…




「俺は俺なりに、考えたんだ…卒業したら、どこか遠くへ行こう。二人で…嫌、三人で…」




育が優しく微笑んだ…
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