好きになった人は…双子の兄でした。【完結】
『…育…もう…いいよ…いいから…』



私はふっと笑みがこぼれる。



「…」



『私、応援してるから。育が…大学行って、立派になって…』



「…な…何勝手な事言ってんの…?」



『…す…素敵な奥さんをもらって、暖かい家庭を…』




「おいっ!いい加減にしろよっ!」



育が怒って声を荒げたけれど…



私は話し続けた。



『…応援してるから。ずっとずっと…』



「…何言ってんの?応援とか…意味わかんねーよっ…」



『…』



これが私なりの育に対する愛で―――



別れの言葉で――――


私の中で一番大きな嘘になる…――――
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