賭けで動く恋

「あの日、1度席を立って外に行こうと通路に立った時、衣装ぼくろが目に入ったんです。

それがあまりにも魅力的で気づけば吸い寄せられるように触れていました。

恵実さんはさぞ驚いたでしょうね。初対面の男にいきなり触られて」

その時の事を思い出したのか苦笑する淳さん。

そんな淳さんの言う通りだったから、私も淳さんと同じ顔になる。

私のその反応に苦笑を深くした淳さんは続きを話し出した。

「首に触れた時の恵実さんの声と反応に『この人を逃がしたら一生後悔する』と思いました。

所謂一目惚れですね」

「一目惚れ!?私なんかに?」

まさか自分が一目惚れされるとは夢にも思ってなかったから思わず大きな声が出た。

その大声がやんだ瞬間口が塞がれた。
小さく濡れた音をたてて離れたら唇は、少し鋭い声を出す。
< 53 / 75 >

この作品をシェア

pagetop