賭けで動く恋
「恵実さん、せっかく気持ちが通じ合ったんですから可愛らしい顔を見せて下さい」
今淳さんの顔を見たら動揺で何を言うか分からない。
無言で首を横に振って拒否した私に、何が面白かったのかまた笑った淳さんを、鼻から下を袖に隠したまま横目で見上げた。
目が合った淳さんは途端に私の首筋に顔を埋めた。
「……本当に可愛らしい」
そんな所で話さないで欲しい。
首筋を擽る吐息に肩をすくめて、こんな近くでも聞き取れない位の呟きに何と言ったのか問いかけた。
「今、何て言いました?」
「何でもないですよ。
それより本題に戻りましょうか」
「本題?」
「はい。私が初めて会った時『見つけた』と言った理由をお話ししようと思いまして」
そう言えばカフェで会った時、そんな事を言って私の首に触れてたっけ。
何で今その話を?
訝しむ私に、目尻を下げた淳さんは私の髪をすきながら語りだした。