賭けで動く恋

「そ、それで私に一目惚れして何がどう『見つけた』になるんですか?」

話しを軌道修正した私に、少し不貞腐れたように見える顔をした淳さんは渋々といった様子で理由を教えてくれた。

「一目惚れって生存本能だと思うんです」

「生存本能?」

首を傾げる私を見るその瞳は、何故か発情期の雄が雌を見る目に見えた。

その目に唾を飲み込む私をよそに淳さんは続けた。

「一目見て気に入ると言うことは、その人との間に自分のDNAをもつ子をつくって子孫を残したい。
だから逃がすなって本能が訴えてる。
そう言う事じゃないかなと思ってます。

だから恵実さんを一目見て好きになったのは、恵実さんとの間に遺伝子を残せと私の生存本能が言ってると言う事なんですよ。

本能がそう言ってるんですからもう逃がしませんからね、恵実さん」

そう言って顔を近づける淳さんに私はそっと瞼を閉じて3度目の温もりを受け入れた。
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