賭けで動く恋
2度目の賭けは……

桜が散り始めた4月下旬。

淳さんの個展最終日、私は2回目の賭けの結果を知るために日比野さんのギャラリーに向かっていた。

実は賭けに敗けてもいい、と思ってるといったら淳さんはどう思うかな?

口元を弛ませながら若草色の着物の袖を風に遊ばせながらギャラリーの扉をくぐった。

「恵実さん。迎えに行けなくてすみませんでした」

「大丈夫です。淳さんのくれた地図、とっても分かりやすくて迷わずに来れました」

個展最終日だからか、薄い灰色の着物を着て個展スペースの受付に立っていた淳さんは私を見つけると足早に私の横に来て腕を差し出した。

付き合い初めて2ヶ月近くしか経ってないのに、この人は気分が変わりやすい私の扱いが本当に上手い。

今だってくっつきたいって思ったのに気付いたんだろうし。

「ありがとうございます、淳さん」

腕を組んで笑う私に淳さんも微笑んで、個展スペースに連れてってくれた。
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