探偵vs
(コイツ、気が変わりすぎじゃないか?)
「それでは、依頼が済めば報酬の話をする。でいいですね?」
「ああ。そうする」
二人の会話は、そこで終わってしまった。
霧は正統派の探偵なので、後で高額な請求は出さない。だからどうした?の話になるのだが。

夕方、霧は“旧樹実”になって姉妹のところへ行った。
「実さん。いらっしゃい」
妹が喋った。
「姉は学校に行ってますよ」
「男の名前がわかりました。木嶋義夫。動機はわかりませんが、間違いなく彼が殺人犯でしょう」
魔鵺はそう言った。
「義夫…ですか?」
「彼は自白したようなことを言いました。彼本人、或いは彼の会社が関係していると思います」
魔鵺はほぼ事実を述べた。
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