探偵vs
「彼の仕事がどのような…までは教えてくれませんでした」
魔鵺は本人から聞いたことをそのまま言ったつもりだが、何か気に食わない。
紗季は言った。
「証拠を掴めたらその義夫って人、逮捕されるの?」
「たぶん、そうなるでしょう」
魔鵺は気を変えずに応えた。

「ただいま」
一時間くらいして百合が帰ってきた。
「ちょっと、こんなのが入ってたんだけど──て、実さん、来ていたんですか」
そのとき魔鵺は、妹の料理を戴いていた。
「実さんね、私の料理を美味しいて言ってくれたんだ」
と料理が下手と言ってるような台詞で、紗季が言った。
「そうなんですか。実さん、郵便ポストにこんなのが入ってたのですが…」
百合はそう言って、手紙を出した。
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