探偵vs
「おねーちゃん、その人だれー?新しい彼氏?」
妹がやって来た。
「違うわ。探偵さんみたいよ」
姉妹が揃った。インチキと言われた姉妹のイタコだ。
「自己紹介、しないとね。私は百合。長巳百合。こっちは紗季、長巳紗季。探偵さんなら少しはわかると思うけど、私たちはイタコなの。この近辺では私たちが最年少になるの。これでも二人とも、一人前なんだから」
姉──百合は自己紹介をし、妹、紗季に“旧樹実”を紹介した。
「…で、探偵さんがなぜこんな所へ?」
その質問に、魔鵺は答えた。
「実はですね、一年前に私どもの事務所に、貴女方の母親から依頼が来たのです。娘たちが成人を向かえる前に一度家に来て、この紙に書いてある事件の被害者の霊を降ろして、犯人を突き止めて欲しい。と。この手紙が届いて三日後くらいにあなた達の母親は死にました。確かあれは四月…二十日だったと思います。被害者はたぶん、あなた達の実の父親です。父親はその十年前に死んだ。合ってますね?霊媒を出来るのは、この近くでは年老いた方よりも若い方がいいと思い、単刀直入にあなた達に言いました。あなた達は霊媒の出来るイタコですから、話は早いと思います」
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