封印戦慄映像
 ――え! 私? 冬馬ったら出任せを……仕方がないわね。


「北嶋久実です。初めまして。無事に解決させて頂きますのでご安心を」


「お若くて、とっても可愛らしい霊能者さんですね。

想像とは全然違いましたよ、ほらテレビでは巫女さんのような格好をした女性とか、お年を召された方が多いでしょう?」


良寛さんはニッコリと微笑んだ。紺色の着物がとてもよく似合い、武士のような顔付きをする男の人だった。


「良寛さん、決め付けは駄目ですよ。皆さん、お茶を入れましたのでこれで体を温めて下さいな」


一同はありがとうございますと言い、お茶を受け取った。胃に流し込み、体や手を温めた。


障子のせいなのか、隙間風を感じ、暖房も一切効いていないような冷たい部屋だった。
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