封印戦慄映像
 直線の廊下を進み、右に曲がると板の間のフロアが見えてきた。


魅羅は角の壁面を両手で摩り、探り当てたように一部を叩いた。するとボタンのような物が現れ、それを押した。この屋敷に住んでいる者しか分からないような造り。そんな様子だった。


魅羅が着物の袖を直すと、その先には一畳分の穴がぽっかりと出現していた。


「あれが地下室への入り口です。狭い通路になっておりますので、一人づつお入りになって」


「魅羅さん。僕から入ります! 絶対に退治しますので見ていてください!」


魅羅の色香に酔いしれた茂は、こことぞばかりに入り口へ歩み寄った。


――普段は青白い顔をしているくせに。


「冬馬さん。私達も早く行きましょう! 一緒なら直子、怖くない!」
< 16 / 146 >

この作品をシェア

pagetop