封印戦慄映像
「皆さん、ご準備は出来ましたか? ではこちらの方へ」


魅羅は踵を返し、足音を立てず木目の廊下に足袋を滑らした。私達も後を追う。


「いやー着物美人って良いですね。純和風もたまらん!」


音声の茂が魅羅の後ろにぴったり張り付くように歩いた。


「冬馬、直子をちゃんと守ってね!」


私の目の前で冬馬と腕を組む直子。私達が付き合っていることは皆には内緒だ。少人数の会社で揉め事を起こさないようにとの配慮だった。


――それにしても触らないでよね! ……いけない。霊能者らしくしなくっちゃ。


仕事とプライベートをきっちり分けるように、怒りの表情から身を引き締めた。
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