ある人々の恋愛2
目に見えないエアコンの空気は、体を冷やしていく。
私の感情も、空気のように薄く静かに漂う。目を閉じて、深呼吸する。
(忘れろ、忘れろ、忘れてしまえ)呪文を唱えるように、私自身にゆっくりと語りかかる。
ワスレロ,ワスレロ、ワスレテシマエ。優しい重いでも、悲しい記憶も、彼氏のことも、彼氏が二股をかけている相手の子も、彼氏と激しく抱擁を交わしていたことも、キスをしていたことも。
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