ダイヤの恋人 〜June bride〜
「……りっ、ひと……さ……」


吐息混じりに呼んだ名前に優しい瞳で応えてくれる理人さんに、整わない呼吸のまま愛を紡いだ。


「……っ、好き、です……」


「瑠花……」


「大好き……」


動きを止めた理人さんを見つめながら涙が零れるのは、激しい情事だけのせいじゃない。


「愛してる……」


言葉だけでは足りない想いが、温かい雫となって溢れていく。


「俺も、愛してるよ」


あたしを見つめる瞳が柔らかく緩められ、甘い声音で愛を紡いでくれた。


それから再開された律動に、限界まで追い詰められていく。


「瑠花、………………た?」


一際大きな波に攫(サラ)われてしまう直前、理人さんが何か言ったけど、それを理解する事は出来なかった――…。


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