月と太陽
お互いの家が近所だから、当たり前だけど、あっという間に家の前に着いた。

まだまだタケルと話していたい、そう思ったが、その気持ちを伝えられるはずもなく、ズルズルと彼を引き止めてしまわないようにあっさりと「じゃあ、また明日」と言って別れた。

アパートの階段を上る足が重たい。

2階に上り切ったと同時くらいに、タケルへお礼を言うことを忘れていたことに気付く。

明日言えばいいか、そう思いながらドアに鍵を差し込みクルッと回す。

そしてドアノブに手を掛け、開けようとするが、開かない。

鍵がかかっている。

今、開けたはずなのに。

そう思いながら、再び鍵を開けた。

そして、再びドアノブを回す。

今度はドアが開いたが、いつもと違う。

ドアの隙間から奥に光が見えた。
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