月と太陽
いつもは真っ暗な家の中。

光の正体は、居間の電気だ。

玄関には、いつもママが履いているリボンがついたグレーのパンプスと男物の黒い革靴が並んでいた。

ママと、その彼氏がいる。

そう思った瞬間、玄関と居間を繋ぐドアが開いた。

その先には、目を釣り上げたママが立っていた。

「しずく!今何時だと思ってるの!」

いつも家に居ないママが何を言ってるんだ。

わたしは黙ってママを見つめた。

「メールしても電話しても出ないし!心配したのよ!」

ママの言葉に制服のポケットから携帯電話を取り出し、開いてみる。

メールが4件、着信が2件。

全てママからだった。
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