月と太陽
「気付かなかった」

そう言って、わたしはローファーを脱いだ。

「どこに行ってたの?こんな時間まで」

時間をやたらと強調するママに苛立つ自分。

わたしは「友達の家」とだけ答えて、自分の部屋に行こうとした。

自分の部屋に行くには、居間を横切らなければならない。

居間には、まるで自分の家かのようにソファーで寛ぐママの彼氏の姿があった。

「ちょっと待ちなさい、しずく!」

しつこくあとをついて来るママ。

普段は放置して彼氏の家に行っているくせに、わたしが出掛けた日に限って、どうして家に居るの?

苛つけば苛つくほど、ママに対する不満が次から次へと湧き上がってくる。
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