spiral "eternal"




「おはよ。」


俺がリビングに入った瞬間


おじさんと美優さんの視線が一斉に集まった


「春…!?」

「嘘…春がこんな早くに起きるなんて…!!」


有り得ない、とばかりに美優さんは開いた口を手で抑えた


…何て失礼な家族だ



俺は食パンが置かれたテーブルにつき、コーヒーを飲んだ



「珍しいな。何かあったのか?」


まるで、何かを探るような目つきでおじさんは聞いてきた


ドキッと一瞬心臓が鳴った



「…別に。ただちょっと、暑くて寝苦しかったんだ。」


もう季節は夏だ


これくらいの嘘なら…大丈夫な筈…



おじさんはしばらく俺を見た後、「そうか。」と頷いた


「俺的には、柚子ちゃんの事で悩んで寝れなかったのかと思ったけどな。」









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