イジワル王子と屋根の下



ー…



「亀戸さん、追加で発注依頼来てます」

「また?どんどん来るなー…これじゃ今日も残業かな」

「皆で仲良く残業して、飯でも食いに行きましょーよ」

「…、」



梨沙が酔っ払って帰ってきた日から、二日。

オフィスのデスクで発注書を見ながらも、頭の中に浮かぶのは先日のあの言葉。





『…じゃなきゃこんなに可愛い子、奪われるか逃げられるかしちゃいますよ』





(奪われるか、逃げられるか…か)



一度は気付きかけた気持ち。

けれど、自分自身はまだ認められない気持ち。




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