イジワル王子と屋根の下
「いつもうちの梨沙がお世話になってます。梨沙の彼氏の、亀戸と申します」
「…!!?」
えっ…えええ!!!?
瞬が…あの瞬が…
自分からお店にきて、自ら彼氏のフリ、なんて…
(ど…どういうこと…!?)
状況についていけず固まる私に、瞬はこちらへ視線を戻す。
「梨沙、今日6時までだろ?丁度近くまで来たから一緒に帰ろうと思ってさ」
「えっ、でも…」
「あらやだ水谷さん!こんな素敵な彼氏がお迎えなんて来たら帰るしかないわよ!」
「そうそう!丁度今6時だし!あがってあがって!」
「……」
興奮気味に私を奥のスタッフルームへと押し込む菊間さんたちに、瞬はにこにこと笑顔のまま。