イジワル王子と屋根の下
「じゃ、じゃあ支度してきます…」
「うん。待ってるから支度しておいで」
(うう、その笑顔から『早くしろこれ以上寒い芝居させんじゃねーよバカ犬』って心の声が伝わってくる…!!)
ひしひしと伝わるその腹の中の黒い本音に、私はロッカーへと急いだ。
ーパタン、
「…わざわざお迎えですか?彼氏さんは余程水谷さんが大切みたいですね」
「ええ、この前そちらから言われたことを受けて僕ももっと彼女を大切にしようと思いまして」
「そうですか。ならよかった」
「これからも梨沙をよろしくお願いしますね、上司さん」
「はい、もちろんです。うちの可愛い社員ですからね」
「…あらやだ、何かピリピリしてる?」
「三角関係…!?水谷さん羨ましい…!」