イジワル王子と屋根の下
「紛らわしいんだよ…クソッ」
「?何が?」
「何でもねーよバカ犬!!」
「いきなり何!?」
怒っているような、けれど安心しているような、何とも言えない顔で足は進み続ける。
「…どうでもいいくせに」
「は?」
「私みたいなただの犬、気にかけてる暇なんてないんじゃないの。…彼女いるんだから」
「?何の話してんだよ」
「え?」
はぁ?と眉間にシワを寄せる瞬に、今度は私が首を傾げる。