イジワル王子と屋根の下
「事実だろうが!少し顔のいい上司に誘われたからってついていこうとして…家で飯とか目的見え見えだろ!!」
「なっ…んなわけないでしょ!大野さん結婚してるんだよ?」
「……は?」
不機嫌なままのその顔は、私の言葉に驚いたように固まる。
「いや、だから…大野さんは奥さんも子供もいて、前から『今度うちにご飯食べにおいで。家族も若い子と話したがってるから』って言ってて」
「……」
「だからそんな下心とかじゃないし…って聞いてる?」
「…マジかよ」
「???」
瞬ははぁ…と溜息をつき、髪をぐしゃぐしゃとかく。