イジワル王子と屋根の下



「何ですって!?ていうかそもそもおいとかお前って呼ぶな!『梨沙』だって言ってるでしょ!?」

「あぁ?犬に名前なんて贅沢なんだよ。どうしても名前で呼んでほしいなら『何でもしますから名前で呼んでくださいご主人様』って腹を出せ」

「あんたは鬼か!?」



そこまでして呼んで貰いたいわけがない!!



そう言い合いをするうちに瞬は早々に食事を終え、食器を流しへと片付ける。

そしてお弁当と鞄を手にして、何も言わずに家を出た。



ーバタン、

「…、」



(…いってきます、くらい言いなさいよ)






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