イジワル王子と屋根の下



「腹立ってもちゃんと弁当を作る忠犬っぷりは、悪くねーな」

「……」



それは朝差し出したお弁当のことを指しているらしく、その言葉から自分が今朝イライラしながらも自然にお弁当を作っていたことに気づく。



「…忠犬って、何よその言い方」





またそうやって、褒めてるんだかバカにしてるんだかわからないような言い方をする。



(…素直に弁当ありがとうって言ってくれれば喜べるのに)



けど、笑みがこぼれている自分がいる。



仕事中の顔や、些細なこと。

ひとつひとつ知ることが出来て、嬉しい



僅かに近付く、心の距離。







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