アフターレイン
Episode,3
朝、外に出ると雨はやんでいた。



昨日は、あの後すぐに泣き止んだ皐月が「いきなりごめん」と謝ったきり、誰も理由を訊かなかった。

もとい、訊けなかったと言った方が正しいか。



無理やり取り繕った皐月の笑顔の痛々しさに気付かないふりをし、多少のわだかまりを感じつつも談笑しながら箸を進めた俺達。



空気を読まないことに関しては師範レベルの親父でさえ、迂闊にギャグを繰り出せずにいた。

あのアホのことだから、自分がふざけたせいで皐月が泣いたとでも思ったんだろう。



けど俺と直己は、何となくだけど涙の理由に勘付いていた。



まだ憶測の域に過ぎないが。

たぶん、間違いないと思う。
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