アフターレイン
ああもう、どうしてこの年頃の奴らはどいつもこいつもそういうフィルターを通してしか人を見れないんだろう。

俺と皐月はそんな関係じゃねぇんだよ。

間違っても恋人なんかじゃない。



そんな文句を込めてそいつらを睨むと、途端に口を噤んだ。

……ったく。まじで面倒くさい。



「ひーくん? どこ見てんの」

「え? ああ、別に何でもない」



つーかさ。

昨日からずっと、言いたかったことがあるんだけど。



「そのひーくんって呼び方、やめない?」

「え、どうしてよ」



俺の言い草に、皐月は不満そうに唇を尖らせた。



「俺もう高校生だしさ。……悪いけど、ちょっと恥ずかしいっていうか」

「そっか。ごめん。じゃあこれから何って呼べばいいの?」
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