アフターレイン


 ──ガシャーンッ



「…あーあ」

「またやった」



 こんの悪ガキが。



 たった今観葉植物の植木鉢を倒したマールをちょっと叱る意味も込めて、軽く頭を小突いた。

 だけど全然悪びれた様子もなくて、何故俺が怒っているのかわからないとでも言いたげに、きょとんと首を傾げる。



 そのまま、たたっと奥の和室に走り去ってしまった。



「……あいつ、絶対わかってねぇよな」

「だろうね」



 ほうきとちりとりを持ってきて、悪ガキがぶちまけた植木鉢の土を直己が手早く片付ける。
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