「約束」涙の君を【完】
祥太は私を抱き抱えながら、縁側から居間に入り、
おばあちゃんが私の部屋の襖を開けて、祥太は私を抱えたまま部屋に入った。
そして、私をそっとベッドに寝かせてくれた。
「優衣、大丈夫か?ほれ、薬飲め」
私はゆっくりと起き上がると、おばあちゃんから薬とお水を受け取り、薬を飲んだ。
おばあちゃんが空のコップを持ってくれたから、
私はまた横になった。
祥太はベッドの横に座っていて、私の頭をゆっくりと撫でた。
「優衣、ごめんな。
不安にさせて……ほんとごめん。
太一は必ず帰って来るから。
大丈夫だよ。
安心して待ってな」
優しい眼差しで、
ゆっくりゆっくり、頭を優しく撫でてくれた。
薬が効いてきたのか、
祥太に頭を撫でられたのが効いたのか、わからないけど、
体がポカポカと温かくなってきて、
頭の痛みも、
息苦しさも、少し落ち着いてきた。
「じゃあ、行ってくるから。
優衣はここで待ってろよ」
祥太は私の頭をポンポンとすると、
立ち上がって、部屋から出て行った。